アフターピルとは?仕組み・飲むタイミング・副作用までわかる基本ガイド【医師監修】
アフターピルという言葉を聞いたことはあっても、実際に使った経験がある人は少ないかもしれません。誰しも「もしもの時」には必要になる可能性がある薬ですが、詳しい利用方法や仕組みを知らない方も多いのではないでしょうか。
このページではアフターピルを手に取ったことがない方でも、基本的な知識をしっかり理解できるよう、役割と利用の流れをわかりやすく紹介します。不安な状況に直面したときに落ち着いて行動できるよう、まずは正しい情報を知っておきましょう。

大切なのは「できるだけ早く服用すること」と、正しい情報を知って慌てず行動すること。もしものときに備えて、事前に知識を持っておくことが安心につながります。
そもそもアフターピルってどんな薬?
アフターピルは、避妊がうまく行かなかったり、避妊が行われないまま性行為があったときに妊娠の成立を防ぐために服用する「緊急避妊薬」です。もしものときの重要な選択肢ではありますが、ホルモンへの負担や体調への影響などを考えても、避妊の手段として毎回服用するべき薬ではありません。
アフターピルの仕組み
アフターピルは、妊娠の可能性がある性行為の後に「緊急避妊」として使用する薬です。
妊娠が成立する前の段階に働きかけることが目的であり、すでに妊娠が成立している場合にそれを中断させる効果はありません。
アフターピルには、性行為後72時間以内に服用するタイプと、120時間以内に服用するタイプの2種類があります。どちらも体内のホルモンバランスに作用し、「排卵を遅らせる」「受精しにくい環境をつくる」などの働きがあります。
避妊の成功率を高めるためには、どちらのタイプであっても性行為後できるだけ早く服用することが重要です。

日常的な避妊の代わりではなく、あくまで非常時の選択肢として正しく使いましょう。
低用量ピルとは違うの?
似たような名前の避妊薬として低用量ピルがあります。アフターピルのように性行為後に服用するものではなく、毎日決まった時間に飲み続けることで、ホルモン量をコントロールし、事前に妊娠を予防する薬です。さらに低用量ピルは避妊以外にもPMSや月経痛の緩和などにも効果があります。

「緊急対応」と「日常的な予防」を使い分けることが大切です。
アフターピルはどんな時に利用するべき?
アフターピルが必要になるケースとしては、コンドームが破けた、正しく装着できていなかったなど、避妊に失敗した場合です。性行為の途中では気づかないことも多く、事後に初めて気づいて慌ててしまうケースもあります。また、普段から低用量ピルを飲んでいる女性でも、服用時間が一定ではない方は避妊効果が下がっている可能性もあります。
さらに、同意していない性行為が起きてしまった場合は、避妊がきちんと行われない可能性があります。この場合は迷わずアフターピルの利用を考えるべきです。
男女がお互いに注意していても100%完璧な避妊はありません。予期しないハプニングが起きたときに正しい選択ができるように心がけましょう。

自分を守るための選択として、ためらわずに利用してください。
アフターピルの服用がNGな場合も
アフターピルは誰にでも処方されるわけではありません。重い肝障害がある人、すでに妊娠している人、授乳中の人、過去にアフターピルで過敏症の症状がでたことがある人などはアフターピルの服用ができません。
また、軽度から中等度の肝障害がある人や、心疾患・腎疾患のある人などは医師による慎重な判断が求められます。アフターピルを希望する際には、必ず医師の診察を受け、自分の身体の状況を正確に伝えて正しく服用してください。

アフターピルが必要になったら医師に相談
では、アフターピルが必要になったらどうすればいいのでしょうか。実は日本では市販薬として販売されていないので、ドラッグストアでは購入することができません。必ず医師の診察と処方が必要です。「病院に行くのは恥ずかしい」「時間がない」と思う方も多いかもしれませんが、妊娠に関わる薬なのできちんと正規の医療機関で処方してもらいましょう。

病院・婦人科で処方してもらう
もっとも一般的なアフターピルの入手方法は、婦人科を受診する方法です。性行為からどれくらいの時間が経っているか、生理周期、服用している薬はないかなどを確認しながら、医師が適切な種類のアフターピルを選んでくれます。不安な気持ちを持って受診する女性が多いはずなので、医師に直接質問できるのも大きなメリットです。
ただし病院は営業時間が限られているため、必要なタイミングで受け取れない恐れもあります。アフターピルは「できるだけ早い服用」が大切なので、休診日に当たってしまったり、待ち時間が長い病院だと心理的な負担に感じることもあるかもしれません。
オンライン診療を利用する
最近では、オンライン診療でのアフターピルを受け取ることができるようになりました。スマートフォンやPCを使って医師の診察を受け、そのままアフターピルの処方を受けられます。病院とは違い、時間帯を気にせずアクセスできる点が大きなメリットです。とくに、休日・夜間・早朝など、病院が開いていない時間に必要になった場合でも対応してくれるサービスが多く、最短で当日に発送してくれるところも珍しくありません。忙しい女性への選択肢のひとつとして、正しく利用すれば非常に心強い存在になります。
もちろんオンライン診療であっても必ず医師による診察は必要です。たくさんのオンラインピル処方サイトがありますが、医療機関として許可を受けているサービスをきちんと見極めて選んでください。
アフターピルを飲むタイミングと効果
アフターピルは性行為後できるだけ早く服用することで最大限の効果を発揮します。具体的な時間と、どのような効果があるのかをご紹介します。
原因行為後、できる限り早く服用する
アフターピルは、その名の通り「性行為の後」に服用する薬です。実際には飲むタイミングによって効果が大きく変わります。
性行為から短ければ短いほど妊娠を防ぐ確率は高まり、逆に時間が経てば経つほど効果は下がります。これは、アフターピルが排卵のタイミングをずらす働きによって妊娠成立を防ぐ薬だからです。
性行為のあと、精子は女性の体内で数日間生存し続けます。もしその間に排卵が起これば、受精の可能性が生じます。アフターピルはこの排卵のタイミングを遅くして「受精そのものを起こらせない」方向へ働きかけます。
そのため、排卵が起きてしまう前に飲めるかどうかが非常に重要になります。
自分の排卵日を毎月正確に把握することは、病院で継続的に管理していない限りとても難しいものです。カレンダーアプリで予測していても、日々のストレスや睡眠不足、体調の変化などによって排卵日は簡単に前後します。そのため「まだ排卵日ではないはずだから大丈夫」と自己判断してしまうのはとても危険です。少しでも不安の残る行為があった場合は、迷わず早めにアフターピルの服用を検討してください。
アフターピルは排卵前の服用で効果を発揮しますが、着床後に飲んでも妊娠を終わらせる働きはなく、効果を期待することはできません。この仕組みを理解して「必要かもしれない」と感じた時点でできるだけ早く行動することが望まない妊娠を防ぐうえでとても大切です。

72時間タイプと120時間タイプの違い
アフターピルには大きく分けて「72時間タイプ(レボノルゲストレル)」と「120時間タイプ(ウリプリスタル酢酸エステル)」の2種類があります。どちらも緊急避妊薬として認められているもので、正しく服用すれば妊娠の可能性を防ぐ効果が期待できますが、作用の特徴や避妊効果、服用できる時間の猶予には違いがあります。
レボノルゲストレル(72時間タイプ)
72時間タイプは最も広く使われているタイプで、服用からの副作用が比較的軽いとされています。性行為後12時間以内に飲めた場合には高い避妊効果が期待できますが、48〜72時間と時間が経つにつれて効果は徐々に落ちていきます。価格が比較的安いというメリットがあり、多くの医療機関で扱われている一般的なアフターピルです。
ウリプリスタル(120時間タイプ)
120時間タイプのウリプリスタル酢酸エステルは、72時間タイプよりも排卵を遅らせる効果が強いとされており、妊娠の可能性を防ぐ効果が高いと報告されている薬剤です。
最大で120時間(5日間)まで服用可能であるため、「病院にすぐ行けない」「行動が遅れてしまった」という場合にも、避妊のチャンスが残されています。ただし120時間タイプはホルモン作用がやや強く、副作用がやや強く出る場合があるとされています。また72時間タイプより取り扱っている医療機関が少ない傾向があるため、オンライン診療や大きめの婦人科での対応が中心になります。
どちらの薬にも共通していえることは、「早く服用するほど効果が高い」という点です。120時間タイプは時間の猶予は長めですが、時間が経過するほど効果が弱まるので余裕を持って診察に行けばいいというわけではありません。

時間が経つほど効果は下がるため、状況に合わせて早めに医師へ相談してください。
服用すると何が起きる?身体の変化と副作用
アフターピルを服用すると、身体のホルモンバランスに一時的な変化が起こります。そのため、さまざまな症状が現れることがあります。副作用の種類や期間、対応の仕方を知ると服用後の不安感が軽くなるかもしれません。
主な副作用:吐き気・頭痛・不正出血
アフターピルの服用で最も多い副作用は吐き気です。特に72時間タイプでは服用から数時間以内に気持ち悪さを感じることがあります。これはホルモン量が一時的に大きく変化するために起こるもので、ほとんどの場合は数時間から1日程度で自然に落ち着いていきます。
吐き気のほかにも、頭痛、眠気、乳房の張り、下腹部の違和感、だるさなどが出ることがあり、120時間タイプの方が副作用も強く出やすいと言われています。いずれも数日以内に改善することが多く、通常は特別な治療を必要としません。ただし吐き気のあまり嘔吐してしまった場合は、薬も一緒に体外に排出され成分が吸収できていない可能性もあります。すぐに医師に連絡して、もう1錠服用が必要かどうか判断してもらいましょう。
月経は早く来たり遅れたりすることがある
吐き気以外にもよくある変化として「不正出血」が挙げられます。これはアフターピルのホルモン作用により子宮内膜が一時的に不安定になることで起こる自然な反応で、薄い茶色〜黒っぽい出血が数日続くこともあります。生理が早く来たり、逆に遅れたりすることもあり、これはアフターピルが一時的に排卵やホルモン分泌のタイミングをずらした結果として起こるものです。
月経が遅れていると「まさか妊娠したのでは?」と不安になってしまいそうですが、アフターピルの影響で周期が乱れている可能性も高いと知っておきましょう。ただし服用後3週間以上月経がない場合は妊娠検査薬での確認が推奨されます。

服用後の身体の変化を知っておくことで、過度に心配せず落ち着いて対応できます。
アフターピルを飲んだ後に注意すべきポイント
アフターピルを服用したあとも、注意すべきポイントはいくつかあります。薬を飲んだからといって安心しすぎると、思わぬトラブルにつながることがあります。ここでは、服用後に気をつけることや次にとるべき行動を整理してみます。

不安な点があれば、自己判断せず医師に相談してください。
アフターピルは完全に妊娠を防げるわけではない
アフターピルは避妊に有効な薬ではありますが、どのような避妊方法にも100%はありません。とくに排卵直前や排卵がすでに起きていた場合は、アフターピルを飲んでも妊娠を完全に防ぐことはできません。
また人によってホルモンの感受性や代謝のスピードは異なるので、副作用の出方や薬の効き方もさまざまです。インターネットで得た情報などを鵜呑みにせず、医師からしっかり説明を受け、あらゆる可能性を確認しておきましょう。
アフターピルを服用したからといって、安心しきってしまうのは危険です。服用後の月経が予定通り来るかどうか、身体の変化を必ず確認することも大切です。不安が続く場合や生理が1週間以上遅れている場合は、妊娠検査薬での確認や医療機関の受診が推奨されています。
アフターピルはあくまで「最終手段」という位置づけであることを理解することが大切です。
次の性行為では避妊方法を必ず見直す
アフターピルで妊娠を避けられたとしても、次の性行為では必ず避妊方法を見直しましょう。コンドームが破れた、外れた、ピルの飲み忘れが続いたなど、アフターピルが必要になってしまった原因を振り返り、今後また同じ状況にならないようにパートナーと話し合うことが大切です。
アフターピルを何度も使うことは、副作用のリスクや生理周期の乱れが続く原因にもなります。もちろん経済的にも負担になります。
継続的に避妊が必要であれば、低用量ピルを正しく利用する、コンドームのサイズや装着方法を見直す、避妊リングを検討するなど、より確実で自分に合った方法を考えることが大切です。もちろん2種類以上の避妊方法を利用するのもおすすめです。
アフターピルをネット通販で購入するのは控える
アフターピルのネット通販や個人輸入には、重大なリスクが伴うため、利用は推奨されていません。パッケージが似ているだけで成分が異なるものや、保存状態が適切でない薬、期限切れのものを再包装して販売しているケースなど、多くの危険が存在します。
妊娠に関わる薬を正規の医療ルート以外で購入するのは、健康面でも精神面でも大きなリスクを伴います。必ず医師が関与した診療ルートを利用することが、自分自身を守るための最も確実な方法です。
病院に抵抗がある場合はオンライン診療の利用もおすすめです。薬の梱包はアフターピルとわからないよう配慮されており、プライバシーも守られています。安心して利用できる環境が整っているので必要なときは遠慮せずに活用しましょう。

今後に向けて、より確実で継続的な避妊方法を検討することが、安心につながります。
性被害にあった場合は警察へ届け出る
性被害によって避妊ができなかったり避妊を拒否されてアフターピルが必要になってしまうケースも少なくありません。恐怖やショックで行動できないかもしれませんが、可能な範囲で信頼できる人や医療機関、警察に早めに相談してみてください。
病院ではアフターピルの処方だけでなく、性感染症の検査やケガの治療、証拠の保全などの対応もしてくれます。どこに連絡すればわからないときは「性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター」に電話をするのも一つの方法です。24時間体制で相談を受け付けており、医療・法律・心理的サポートまで一括して案内してくれます。
一人で抱え込まず、頼れる場所を利用してまずは心と身体の安全を守ってください。アフターピルは妊娠に関する不安を減らす手段のひとつですが、身体だけでなく心を守るための行動もとても大切です。

一人で抱え込まず、信頼できる支援につながることが回復への大切な一歩です。
まとめ
今回は、アフターピルの基本をご紹介しました。アフターピルは適切なタイミングで正しく利用することが何より重要です。一度使用したら同じ不安を繰り返さないために日常的な避妊方法を見直すきっかけにもなります。
不安なときにはひとりで抱え込まず、すみやかに医師や医療機関に相談してください。万が一のためにアフターピルの知識は頭の片隅に置いておくと安心です。きっと妊娠の心配や心の負担を軽くしてくれるのに役立ちます。
日本産科婦人科学会(JSOG)
緊急避妊法の適正使用に関する指針(最新版)
WHO(世界保健機関)
Emergency contraception – Fact Sheet**
Cleland K, et al.
Emergency contraception: effectiveness and safety. Contraception.*
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